馬搬について

馬搬とは、馬を使って山から伐採された木を運ぶことです。「地駄曳き」とも呼ばれております。昭和中期まで行われており、トラクターやブルド―ザの普及により廃れました。八戸市周辺では20年前に作業する方がいなくなりました。スエーデンやイギリスでは数千人クラスで馬搬をしているようです。2年前のドイツでの林業機械の展示会にも馬搬が出展しており、十数名がエキシビジョンしているのを見ました。ヨーロッパではまだまだ盛んに行われているようです。
全国的にもほぼ廃れましたが、最近では見直され2019年現在4人程度が北海道、岩手県、福島県、長野県で作業しております。

長所

馬は重機が入って行けないような狭いところや急斜面も行けて、小回りが利きます。山を削って重機を入れるための作業道を作る必要性がありません。1m程度の幅があれば搬出が可能となる。無理な力が掛かる搬出方法でないために、土壌を踏み固めたり、立木に傷を付ける事がほぼ無くなります。高額な機械を導入する事に比べればコストが掛かりにくい。また。CO2も排出しないので環境にも優しい。昔ながらの運搬技術なので、伝統文化を守ることが出来ます。機械で作業するよりも見た目にも静かで排気ガスの中で作業することが無く、美しく見ていて楽しい。馬に関わる職業もあり地域の雇用も生まれます。例えば、馬の病気を見てくれる獣医、馬の爪を守るために蹄鉄を打つ蹄鉄師、草等の餌を販売する店、馬具を作る馬具屋と地域の鍛冶屋の雇用を生みます。
短所
小規模であるので、機械と比べて大量に丸太を取り扱うには効率が悪い。日ごろの面倒を見なくてはいけない。夏にはアブに刺されるので作業時期が決まってしまう。また、1日の中でも作業効率が異なる。専門的な調教が必要です。

八戸市森林組合の取り組み

当組合では岩手の遠野市で馬搬を拝見し、美しさ、伝統文化の保存、馬文化の保存、環境への負荷の低減等を勘案し、当組合でも取り組みたいと思い、6年程前からポニーを飼い馬搬を取り組みました。未だ大きな馬での事業化のきっかけを得られないまま、岩手や北海道から馬搬をされる方々を呼んで、講演会や実際の搬出の仕事を依頼しております。近いうち八戸でも馬搬をできる準備体制を整えたいのですが、まだ見通しが立ってません。

木材と馬

最近は住宅の施工の仕方により、木の値段が高くなることが少なくなりました。その中で木材価格を高める方法の一つとして馬搬は良いのではないかと思っております。馬は動物の中でも美しく、人馬一体となって作業する事はもはや馬搬しかないでしょうか?馬が好きな方は多いので、馬で搬出した木を使いたい方は多いかと思いますし、馬を維持する目的として、木の値段が少し高くともその価値を説明すれば購入して頂けるのではないかと思います。また、馬搬材は認証マークも必要だと思います。フェラーリ、エルメス、ラルフローレン等も採用してますし、持つ喜び、使う喜びが感じられるかもしれません。